【創業者紹介】株式会社ランダム

〜犬用車いすでペット介護問題に取り組みたい〜

代表取締役:大島 康彰(おおしま やすあき)さん

起業概要

起業 2016年
起業年齢 63歳
起業資金 2,500万円
業務内容 動物介護用品(犬用車いす)の製造・販売
所在地 杉戸町
ホームページ https://landam.co.jp/

略歴

  • 自動車、文房具業界で商品開発デザイナーとして勤務
    その後、高等専門学校教員を経て日本工業大学で機械工学の教員として勤務
  • 61歳:犬用車いす「ランダムカート」を開発
  • 63歳:知人と3人で「株式会社ランダム」設立
  • 64歳:「ランダムカート」の販売開始
  • 65歳:日本工業大学定年退職

軽量×フレキシブル!犬用車いす「ランダムカート」を開発

学生時代からこれまでものづくりをしてきました。犬用車いす「ランダムカート」は、大学で機械工学の教員をしていたときに、学生と一緒に開発したものです。

一般的な車いすは犬の両脇をパイプではさむ構造のため、横方向へ移動しづらくなります。犬の骨格を参考に、背中の上方にメインパイプをもってきた「ランダムカート」を開発しました。犬の体重に応じた車いすの軽さという点も重視しています。試作品を利用してもらうと、獣医師から多くのご好評の声が!「画期的で犬のリハビリとしてもよい」というご意見は、製品化を考えるきっかけになりました。

起業を決意。販路開拓に苦戦するもペット介護のニーズを認識

開発後、ペット関連の会社に製品化を相談したのですが、販路開拓が難しいということで実現しませんでした。それなら自分たちでやってみようと考え、知人と3人で株式会社ランダムを設立しました。ホームセンターで陳列することが難しく、ホームページやSNSでの地道な広報から始めました。最初のうちはプロモーションしてもなかなか効果は出ません。こつこつと努力を続けることが大切だと思います。

「軽快に動ける犬用車いす」としてメディアに取り上げられ、国内のみならず海外からも多くの問合せがありました。ペットの介護問題は世界各国で共通に起こっていると実感し、これからも犬用車いすにとどまらず、この問題に取り組んでいこうと決心しました。

「健康第一」で目標へ邁進

日本政策金融公庫から開発費1000万円の融資を受けたこともあり、当初はかなり無理をしていました。販売開始から1年、ホームページやSNSでの広報が徐々に認知されてきたころ、体調を崩しました。その間も新規購入や改良のニーズがあったため、モチベーションは維持できました。

ペットの介護問題は、やらなければいけないことがたくさんあります。今は「健康第一」で、無理のないよう取り組んでいます。

人間とペットの老々介護を支えていきたい

販売開始から4年が経ちました。多くのお客様から感謝されることでやりがいを感じています。動物介護用品の開発は自分でなければできないという自負があります。社会の役に立っているという充足感も感じています。

日本でおよそ900万頭の犬が飼われています。人間と同様に犬の平均寿命も延びており、人間によるペットの老々介護が問題になっています。犬用車いすだけでなく、介護ベッドや犬を軽く抱えられる道具など、人間がペットを楽に介護できる介護用品を開発していきたい。さらに生産体制を確立させて海外のペットマーケットに参入するなど、ビジネスとしてもスケールアップしていきたい。

定年後の仕事としてはヘビーですが、会社の土台を築いて次の世代に引き継いでいきたいです。

教えて!先輩起業家

続けるためのポイントは?
  • 健康第一!無理をしすぎない。
  • 広告効果はすぐには出ない。成功するまでこつこつ努力を続けること。
  • お客様のニーズやトレンドを機敏に読み取ること。

(掲載: 2022年4月)




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