[2021年9月15日]町アドバイザー

町 直友貴(まち なおゆき)

融資について

こんにちは。創業・ベンチャー支援センター埼玉の町です。

初めてのコラムになりますが、今回は『融資について』です。
なぜ、融資についてなのかといいますと、創業相談の中で、最も多いのが、
この融資に関する相談となっているからです。
『融資について』今まで、ご相談いただいた方は、メモや復習として、
融資以外の相談をされていた方は参考がてらお読みください。

まず、創業期の方に理解してほしいことは、『お金の使途』についてです。
なぜ? と思われるかもしれませんが、融資のテクニック以前にこの観点が非常に大事です。

相談に来られる方の多くが漏れている観点です。
何がもれているかと言いますと、相談者の多くの方が、
『お金があれば成功する』もしくは、『融資≠返済』と認識している点です。

お金があれば成功するという考え方はあながち間違ってはいないのですが、
融資についての悩みを抱えられている相談者の多くの方が、返済の計画まで考えていません。
確かに、お金があれば会社は潰れません。しかし、融資のお金は返済の義務があるため、
いずれ無くなります。お金が無くなると会社は潰れます。当たり前ですよね。

ですが、この当たり前を見落としてしまいがちです。
創業期は考えることが多いため、脳が疲労していることに加えて、創業を支援する公的な融資制度が
充実していることから、お金が貰えると勘違いしてしまいがちです。
ですが、先ほどご説明させていただきました通り、融資には返済義務があります。
そのため、返済を踏まえた計画が重要になってきます。

さて、融資=返済義務があるという前提条件のお話が終わりました。
では、資金使途についてのご説明です。
ここでいう使途で考えたいポイントは、『融資を受けてお金をどう使いたいのか』を考えることです。

少し復習を挟みます。
金の使い方を大きく分けると、『消費』『投資』『浪費』ですよね。
今回のお金の使い方=使途は『投資』です。

では、この投資を行う目的は何でしょうか?
夢をかなえるためですか? 事業を行うためですか? それとも・・・?

そして、『融資を受けてお金をどう使いたいのか』を考えるうえで大切なポイントは、
“誰にとって有益な使途となるか”です。
夢をかなえるためや事業を行うためは、非常に素晴らしい考え方です。

しかし、融資を行う側からすると付随する考え方なのです。
融資を行う側が大前提で考えていることは、『貸したお金が返ってくるか否か』です。
これを大前提に頭に入れておきましょう。
すると、ただ単に『投資』と考えてしまうと、少しもの足りなくないですか?

もう一歩踏み込んで考えてみましょう。
具体的には、どのような投資なのかです。
例えば、新しい店舗を出店するために必要な『内装費』
例えば、効率よく事業を進めるために必要な『設備費』
例えば、自分の右腕となって働いてくれる従業員の『人件費』
例えば、販売する商品を仕入れるために必要な『費用』
例えば、店舗や商品を宣伝するために必要な『広告宣伝費』

そして、最も忘れてはいけないことは、投資なので、『リターン』があるということです。
このリターンを証明しないことには、融資はおりません。
そもそもリターンが証明できないのであれば、それは『投資』ではなく『浪費』です。

補足ですが、リターンの証明は『事業計画書』で行います。
事業計画書についてはまたの機会に。

金融機関は浪費に融資はしてくれません。金融機関の融資もまた投資なのです。
ゆえに、投資を行うことにより得られる、リターンを期待しています。
そして、金融機関のリターンは融資先企業(事業)の成長です。

以上のことを実現するために、お金の使途について考えることが重要なのです。

長文失礼いたしました。
まだ、続きますが続きはまた次回。




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