[2022年2月14日]森アドバイザー

森 尚子(もり なおこ)

売上予測について

創業前に、創業直後と軌道に乗った時点での売上予測をする必要があります。
はじめて事業をする人にとっては、売上を予測した経験もなく、「やってみないとわからないので書けない」とおっしゃることが多いです。しかし、これは事業をするうえで避けては通れません。

今回は売上予測についてお話いたします。

売上予測は、売上「目標」ではなく、現実的な「根拠」のある数字です。「月の売上は100万円欲しいな」ではなく、「1日平均の売上が4万円見込めて、月の営業日数が25日だから掛け算すると月の売上は100万円になるはず」ということです。

創業して何年も経っている企業やお店であれば、前年の売上実績をベースにして翌年の売上予測は立てられます。しかし、創業前の時点で創業直後の売上を予測したり、1年後に軌道に乗ったと仮定して売上を予測したりするのは前年の売上実績をベースにできません。
ではどうするかというと、ご自身の実務経験から推測するのが一番です。

美容院のケース

美容院創業をケースに具体的に考えてみましょう。多くの場合が次の計算式で売上予測を立てられます。

客単価(6,000円)× 月の来客数(100人)= 月の売上(60万円)

客単価は、店舗の場所や顧客層によって違ってきますので、勤務先でのさまざまな経験がいきてきます。月の来客数も、すでに指名客がいらっしゃる場合や新規顧客開拓をした経験があれば算出可能ですね。

また席数と回転数で売上予測を出す方法もあります。回転数とは、その席に1日何人顧客が座るかです。
客単価(6,000円)× 座席数(1席)× 1日の回転数(4人)× 月間営業日数(25日)= 月の売上(60万円)

ここで気を付けなくてはいけないのは、売上予測はフル稼働した場合の売上目標ではなく、あくまでも現実的な数字を出したものです。
「1日4人が来店しても大丈夫です(問題なく営業可能です、お客様をこなせます)」ではなく、「1日4人は来店がある見込みがあります」ということです。つまり、それだけの集客が可能かどうかも根拠が必要です。

すでに指名客がいて予約が入る可能性があれば問題ありませんが、そうでない場合は集客の可能性を自分の足で調査して、集客の根拠を見える化しておく必要があります。
具体的には、①新店舗の商圏内の見込み客の数、②近くのライバル店の地理的分布状況、客単価、だいたいの来店者数、サービスの特徴、③近くのライバル店との差別化ポイントなどです。

どうやって売上予測を出せばいいか迷ったときには、是非、創業ベンチャー支援センター・埼玉の開業アドバイザーに相談してください。一緒に考えましょう。




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