令和6年度第2回産学連携技術シーズ発表会【AI・ロボット分野】動画配信

技術シーズ発表会  YouTube限定公開による講演動画の配信です
配信期間  月20日(金)まで視聴いただけます
第2回産学連携技術シーズ発表会(AI・ロボット分野)を動画配信をいたします。
講演の技術シーズには、研究開発に関わる特許・実用新案等も含まれます。
視聴をされた方以外への配信は、研究者の知財保護からお控えくださるよう、お願いします。

第2回産学連携技術シーズ発表会【AI・ロボット分野】

 


第1講演 位置情報ビッグデータを用いた歩きやすい観光まちづくり支援システム
埼玉大学 大学院理工学研究科 助教 間邊 哲也 氏
観光資源として高いポテンシャルを持っているものの、これまで観光スポットとしてほとんど
認知されていない場所の自動抽出を実現します。抽出した情報は、当該地域の自治体や観光案
内所などで、新たな観光スポットの発掘や発見の「気付き」につながります。また、観光にお
いて全ての移動を乗り物のみで実現することは難しく徒歩による移動が高い確率で発生します。
そのため、歩きやすい観光まちづくりは多くの観光客を呼び込む上で欠かせません。位置情報
ビッグデータを用いることで、観光スポットの発掘・発見・活用、歩きやすさ、動線把握・混
雑状況など、歩きやすい観光まちづくりに向けた施策策定につながる情報提供を可能とします。
歩きやすさは自動配送ロボットの経路計算にも応用可能です。
適用分野
観光、まちづくり、自治体、観光案内所


第2講演 後付け機構で自由に動作を変えられる空気圧ソフトアクチュエータ
東京電機大学 理工学部理工学科電子工学系 教授 本間 章彦 氏
アクチュエータには、筋肉と骨の構成が必要です。筋肉に相当する空気圧ソフトアクチュエー
タは、骨に相当する機構がないと、勝手な方向に伸びたり縮んだりしてしまいます。本アクチ
ュエータは、蝶番機構を後付けで装着することで、アクチュエータの動作を後から自由に決め
ることができます。曲がる位置や曲がる角度を変えるだけではなく、元の形に戻ろうとする機
能や、今の形を保持しようとする機能、動作にクリック感を持たせるなど、蝶番のもつ機能を
アクチュエータに付け加えることができます。蛇腹状の空気圧ソフトアクチュエータと、蝶番
機構の組み合わせにより、これらの機能を実現しています。
適用分野
・空気圧ソフトアクチュエータ、ロボットハンド、手指関節リハビリテーション機器、蝶番


第3講演 静かで安全な飛行を実現する手のひらサイズの蝶型はばたきロボット
東京電機大学 未来科学部ロボット・メカトロニクス学科 准教授 藤川 太郎 氏
空からの観測や狭い配管・通路内での点検システムとして、回転翼型のドローンの活躍が期待
されています。しかし、回転翼では、風切り音による騒音の問題や、故障などで翼の回転が止
まってしまった際の墜落による事故の危険性もあり、これらを解決することが課題となってい
ます。講演で紹介する蝶型はばたきロボットは、翼幅長が200mm程度、質量約1.8gという小型
軽量のサイズであり、バッテリを搭載して自律飛翔することが可能です。1秒間に8回程度のは
ばたきであるために静音であり、はばたきを止めた場合には滑空飛行が可能であるために墜落
の心配はなく、且つ軽量であるために高い安全性を有しています。
適用分野
屋内観測システム、高所・狭隘空間での点検、アミューズメント


第4講演 ロボットソリューションで切り拓く未来の農業:持続可能な食糧供給への挑戦
日本大学 理工学部精密機械工学科 教授 羽多野 正俊 氏
近年の農業人口の減少や異常気象による作物の不作などにより、野菜価格の高騰や収量不足が
社会問題となっています。本研究室では、不整地を移動しながら作業するロボットについて、
各種センサを用いた認識手法・制御系の構築などの研究開発を行っており、ロボットの機構は
社会ニーズに応じてコンセプトから完成までほぼ全てオリジナルで設計開発しています。この
技術を応用し、食品廃棄物の堆肥化から主に露地栽培における果菜の栽培支援・収穫支援まで、
食に関する社会問題のトータルソリューションサービスシステムの構築を目指しています。
本講演では、共同研究事例などを交えて開発した様々なロボットについてご紹介します。
適用分野
農業分野、災害・防災分野、地形・海洋調査分野、医療分野


第5講演 プライバシーを守りながらパーソナルデータを最大活用するためのAI技術
日本大学 理工学部応用情報工学科 助教 関  弘翔 氏
現在、社会には様々なデータが溢れており、医療分野やマーケティング分野など、データサイ
エンス(データ分析)や機械学習による活用への期待が高まっています。一方で、パーソナル
な情報を含むデータの場合、プライバシー侵害への懸念から十分に利活用できない課題があり
ます。改正個人情報保護法により、匿名加工情報とすることで共有が可能になりつつあります
が、匿名加工によりプライバシー保護を進めるとデータの有用性が損なわれる恐れもあります。
本講演では、AIによりデータを学習することで本物と同様の特性を持った、実在しない仮想の
データを生成する技術を紹介します。
適用分野
・匿名化処理の代替 ・社内研修、インターンなどにおけるダミーデータ準備
・深層学習における学習データ増強・製薬業界 ・マーケティング業界


第6講演 材料や食品などの深部組成や異物を可視化できる分光画像技術
東京理科大学 創域理工学部機械航空宇宙工学科 教授 竹村 裕 氏
分光画像技術とは、試料からの反射光(または自発光)に対し、分光技術を利用し、広波長域
を高波長分解能で、局所波長域ごとに画像化(分光画像)し、試料の同定、分類、定量化する
技術です。材料や食品などの深部組成や異物を可視化することができ、工場での工程管理や品
質管理など産業界にも広く実用化されています。我々は、この技術を可視光域から近赤外領域
までの波長域に拡張し、広範囲の計測範囲のみならず,ボアスコープやファイバースコープを
利用した狭所での計測が可能な内視鏡を開発しました。我々の技術はAI技術やロボット技術と
融合することにより、広波長域(490nm-1600nm)+広範囲(数μm~数m)での非破壊検査が
実現可能となります。
適用分野
・材料や食品の異物計測・工場の品質管理・ターボエンジン内の非破壊検査
・複合材料製品の非破壊検査・配管内の非破壊検査・内視鏡手術のナビゲーションシステム


第7講演 AIを用いた動作のリアルタイム予測
日本工業大学 先進工学部ロボティクス学科 准教授 田村 仁 氏
深層学習を用いた動作予測による異常検知とリアルタイム予測について説明します。深層学習
を用いて一瞬先の人間や動物の行動を予測し、それを応用することで防犯カメラ映像から異常
行動を自動検知できます。また相手の動きを先読みするスポーツ競技が可能なロボットを実現
できます。また競技中は相手の動作を見てから反応しては間に合わず、相手の先を読んであら
かじめ動作しないと十分な動作時間を確保できません。まだ課題は残されているものの現在で
は深層学習によって行動予測が可能となり、またリアルタイム処理も可能となりました。
ここではそのための視覚システムについて説明します。
適用分野
監視カメラ映像からの異常行動の自動検知やスポーツ競技可能なロボットの実現、
ひいては人間と協働するロボットの全般の開発


第8講演 人間支援を目的とした知的システム・ロボット技術
日本工業大学 先進工学部ロボティクス学科 准教授 大久保 友幸 氏
少子高齢化が進む中で、障害を持つ人も健康な人も含め、全ての人々が活躍できる社会の実現
が求められています。このような中、我々は身体に障害をもつ方々への支援を目的とした知能
ロボット技術や知的システム技術を開発を行っています。システム技術とは、横断的な技術を
有機的に結合させて、新たな価値を生み出す技術で、この中にはAI技術や知能ロボット技術も
含まれます。この技術を使い、(1)ペットの散歩を模倣したリハビリテーション用パートナ
ーロボット、(2)幻視に着目した人物視検出システム、(3)歩行ビデオからのパーキンソ
ン病の検出システムを紹介いたします。
適用分野
医療工学分野,リハビリテーション,福祉分野など


第9講演 ヒト並みの速さと発揮力を持つ燃焼駆動型人工筋肉アクチュエータ
中央大学理工学部精密機械工学科 准教授 奥井 学 氏
人と機械の安全な協働に向けてソフトロボット技術が注目されていますが、柔らかいがゆえに
応答速度や発生力に課題があり、人の動作を代替するには至っていません。本研究室ではジメ
チルエーテル(DME)の燃焼を利用した集積型燃焼人工筋肉システムの開発を通して、ヒトと
同等スケールでの応答速度、発生力、変位を満たすソフトアクチュエータの基礎・応用研究に
取り組んでいます。現在までに、JSTプロジェクトの支援を得て安定した繰り返し駆動技術
を確立し、関連特許も3件申請済みです。基礎・応用の両方について、一緒に取り組んでいた
だける企業を歓迎します。
適用分野
瞬発力が必要な駆動システム、医療介護用ロボット、協働ロボット、
社会インフラの劣化診断(打診)

10講演 機械学習におけるコンピュータグラフィックス技術の利用
東洋
大学総合情報学部総合情報学科 准教授 村上 真 氏
コンピュータビジョンの様々なタスクに機械学習の手法を用いる場合、大量の訓練データ(画
像データと教師信号のペアデータ)が必要になることが多いです。しかし、画像データから人
手で教師信号を作成するには手間がかかります。本講演では、フォトリアリスティックなレン
ダリングが可能な3次元コンピュータグラフィックス技術を使用して、現実のシーンのような
画像を出力し、同時に教師信号を作成する研究について紹介します。訓練データを大量に用意
することが困難なため、コンピュータビジョンにおける機械学習システムが構築できないと
お悩みの方がいらっしゃいましたら、まずはご相談ください。
適用分野
画像認識・コンピュータビジョン・自律移動ロボット・自動運転・映像コンテンツ制作・
ゲーム制作

 

産学・知財支援グループでは、産学連携に関する技術相談や共同研究を推進しています。
講演頂いた先生方は、産学連携の取り組みに積極的な研究者・技術者ですので、
製品技術や研究開発に関することなど相談されたい方は、当センターにご連絡ください。

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新産業振興部 産学・知財支援グループ 高橋
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