産学連携で技術力をアップ!

産学連携支援センター埼玉では、大学・研究機関が研究している先進的な技術シーズを紹介し、                                       研究者と研究開発型企業が、あらたな材料研究や製品開発を推進するための取り組みとして、                           産学連携技術シーズ発表会並びに大学シーズマッチング会を開催します。

令和5年度産学連携技術シーズ発表会

 産学連携技術シーズ発表会は、研究開発型企業に対し、様々な産業分野に活用できる大学・研究機関の技術シーズを提供し技術連携につなげます。
■令和5年度第5回産学連携技術シーズ発表会(環境・エネルギー分野)
開催日時 2024年3月8日(金)13:00~15:20
開催場所 新都心ビジネス交流プラザ 4階C会議室
参加費 無料 定員 40名

 

第1講演  表面修飾材料をはじめとした有機材料の開発
埼玉工業大学生命環境化学科  教 授 田中 睦生 氏 

研究室では核酸から電導性高分子にいたる様々な機能性有機材料に関して研究を展開している。
ツビッターイオン性(同一分子内に正電荷部位と負電荷部位を持つこと)でバイオセンサーの
表面修飾材料としてよく用いられているスルホベタイン化合物を高分子化することによって、
シリコーンゴム表面に親水性を付与するコーティング材料が得られることを見いだしている。
講演はSDGsを念頭に置いた表面修飾材料、分子認識材料、超分子材料について紹介します。
■適用分野・用途・業界 素材産業

第2講演 リチウムイオン電池の高性能化に向けたシリコン負極
 東京電機大学工学部電気電子工学科 教 授 佐藤 慶介 氏

温室効果ガスの削減は地球規模の課題であり、リチウムイオン電池の高性能化も急務であり、
EV等の普及に向けた高性能蓄電池の開発が必要となる。講演では、カーボンニュートラル社会
の実現ならびにSDGsの達成に不可欠な蓄電池の性能向上に有益となるシリコン負極への微細加工
技術について解説します。さらに、リチウムイオン電池の蓄電容量と充放電サイクル寿命等の
性能面の向上を目指す実用化に向けた要素技術について解説します。
■適用分野・用途・業界 LIB、全固体電池の負極材料、電気自動車用高容量バッテリー

第3講演  事前情報のない水溶液試料の初度的分析方法
埼玉県産業技術総合センター 材料技術・事業化支援室
化学技術担当 主任研究員 熊谷 知哉 氏 

一般に化学分析は、より多くの事前情報を集め、予測された組成や測定すべき対象成分にあわ
せて分析方針決めを行う。事前情報が十分でない場合、分析機器や前処理方法が定まらず、
時間や費用をかけて試行錯誤を繰り返すこともあり負担が大きい。そこで、水溶液試料の概略組
成を予測し事前情報を得るための簡便な初度的分析方法を電気化学計測の手法を用い検討した。
■適用分野・用途・業界 ・分析事業所 ・水溶液分析のニーズのある事業所

第4講演  風による振動を利用したコンパクトなエネルギー回収システム
日本大学理工学部土木工学科 准教授 長谷部 寛 氏 

風の持つエネルギーを回収する方法の代表例はプロペラ型風力発電機です。一方で、ブレード
の回転に伴い形成される風の乱れ(後流・ウェイク)の影響で、風に対して直列に近接して配置
することが困難です。そこで、逆にウェイクを利用して、ウェイク内でも風により振動する平板
振動子を複数配置したコンパクトなエネルギー回収システムを開発しています。
現時点での発電量は微量であるものの、本講演ではこの新しいシステムを紹介します。
■適用分野・用途・業界 建物内の通風孔、ピロティ、走行車両上など

問合せ TEL 048-857-3901 E-MAIL sangaku@saitama-j.or.jp

第5回シーズ発表会は、講演を終了いたしました

 

■令和5年度第3回産学連携技術シーズ発表会(生命工学・医療・食品・農業領域)
第1講演  ゲノム情報等を利用して狙い通りの新品種候補を作る
埼玉工業大学工学部生命環境化学科  准教授 秋田 祐介 氏
第2講演  地域でケアを担う職種の人材育成とそれに伴うサービス提供の提案
埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科   教授 林  裕栄 氏
第3講演 昼間の活動と夜間睡眠の関係
-子どもから高齢者の睡眠と健康を考える-
埼玉県立大学保健医療福祉学部作業療法学科 教授 久保田 富夫 氏
第4講演 電子顕微鏡を用いた細胞診検査法の開発
埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科  准教授  矢野 哲也 氏
第5講演  竹の食物繊維を用いたおいしい食品と保健的効能
東京電機大学理工学部理工学科生命科学系 特定教授 椎葉 究 氏
第6講演 固体NMRによるでんぷん構造と物性の相関解明
東洋大学食環境科学部食環境科学科 教 授 加藤 悦子 氏
第7講演 がん細胞の脂肪酸代謝特性を活用した高精度がん早期診断法の開発
日本大学医学部機能形態学系生体構造医学部分野 助教 加藤 侑希 氏
第8講演 植物の根の温度制御が実現する新しい農業
日本大学生物資源科学部花の科学研究室 教授 窪田 聡 氏
第9講演 生物発光を利用した疾病関連マーカーの迅速検出法の開発
国立研究開発法人 産業技術総合研究所生物プロセス研究部門 蟹江 秀星 氏
第10講演「ナノ触媒 × 酵素」による高効率なファインケミカル合成技術
国立研究開発法人 産業技術総合研究所生物プロセス研究部門 三重 安弘 氏
第11講演 トンボ由来の紫外線反射・超撥水物質
国立研究開発法人  産業技術総合研究所生物プロセス研究部門 二橋 亮 氏
■第2回産学連携技術シーズ発表会【人間工学・AI・ロボット領域】
第1講演 人間工学を用いたロボット技術と医療工学への応用
埼玉工業大学工学部機械工学科 教 授  長井  力 氏
第2講演 人間の器用な職人技を伝承・再現するロボット技術
芝浦工業大学システム理工学部機械制御システム学科  桑原 央明 氏
第3講演 荷揺れを自動制御して、荷物を移動させやすくする技術
東京電機大学未来科学部ロボット・メカトロニクス学科 教授 石川 潤 氏
第4講演 マスキングテープで、ひらがなやイラストを滑らかに描くための装置
東京電機大学理工学部理工学科 情報システムデザイン学系 准教授 勝本 雄一朗 氏
第5講演 機械学習を用いた自律移動ロボットのための制御パラメータの最適化
東洋大学理工学部機械工学科 准教授 山田 和明 氏
第6講演 目的部位のみを局所加温する温熱治療装置、食品加熱解凍装置の開発
東洋大学理工学部機械工学科 准教授 新藤 康弘 氏
第7講演 IoT機器に搭載可能な超小型モータの開発とその医療応用
日本大学理工学部精密機械工学科 教 授 齊藤  健 氏
第8講演 世界中のバリア位置を明らかにするための人とAIの共創プラットフォーム
日本大学文理学部情報科学科 教 授 宮田 章裕 氏
第2回産学連携技術シーズ発表会は開催を終了しました
第1回産学連携技術シーズ発表会【材料・化学領域】
第1講演 電気不要の感熱型調光材料・感光型調光材料
埼玉工業大学工学部 教 授 木下  基 氏
第2講演 天然ナノ材料を用いた布への消臭性等の機能付与
東京家政大学家政学部 教 授 濱田 仁美 氏
第3講演 ホルムアルデヒドをアルコールに変えるパラジウム触媒
東京電機大学工学部応用化学科 准教授 山本 哲也 氏
第4講演 縦型高速双ロール鋳造法を用いたアルミニウム合金の
リサイクル技術の現状と課題
東京電機大学工学部理工学科  准教授 原田 陽平 氏
第5講演 材料表面の超微細加工とナノスケール構造解析
東洋大学理工学部応用化学科 教授 片野 諭 氏
第6講演 元素を礎にした新規化学種の発掘
東洋大学理工学部応用化学科 教授 佐藤 総一 氏
第7講演 カルシウム複塩の材料活用可能性
日本大学生産工学部環境安全工学科 専任講師 亀井 真之介 氏
第8講演 ペーストのメモリーを利用したクラック発生の制御
日本大学理工学部一般教育 教 授 中原 明生 氏
第9講演 ダイヤモンド状炭素薄膜コーティングの医療・環境分野への応用
日本工業大学基幹工学部応用化学科 教 授 伴 雅人 氏
第10講演 製品の信頼性向上に有効な接合技術
ものつくり大学技能工芸学部総合機械学科 准教授 平野  聡 氏
問合せ TEL 048-857-3901 E-MAIL sangaku@saitama-j.or.jp
第1回産学連携技術シーズ発表会は開催を終了しました

 

令和5年度大学シーズマッチング会

 大学シーズマッチング会は、工科系大学で優れた研究実績を有する大学から産業への実用化が見込まれる技術を紹介し企業との技術連携につなげます。

 

■第1回大学シーズマッチング会in日本大学
1 研究概要 ロハス工学の取組について
            工学研究所長 教授 岩城 一郎 氏
ロハス工学とは日本大学工学部の教育・研究のスローガンで、健康で持続可能な社会の実現
を目指したものです。ここでは、ロハス工学の変遷、研究領域について解説するとともに、
令和元年東日本台風で被災したキャンパスの再生プロジェクトについて紹介します。
さらに、SDGsやカーボンニュートラルが提唱されている社会情勢に鑑み、工学のみならず
医療・農林業・福祉など他分野との融合を目指したロハス学への進化を提唱します。
2 研究シーズ紹介
講演1 縦ログ・パネルログ構法
  建築学科 教授 浦部 智義 氏・機械工学科 専任講師 宮岡 大 氏
平積みが一般的なログ材の活用方法を斬新に変革し、無垢材を縦に合わせてパネル化を目指
したもので、「構造材」・「外装材」・「内装材」・「断熱材」の役割を果たす木質パネル
を基本とする、「縦ログ・パネルログ構法」を紹介します。地場産木材利用、地元大工の参
加など地域経済への波及も考えられます。
また、この構法を普及させる一策として、縦ログ・パネルログの蓄熱効果について、実測調
査とシミュレーション計算によって明らかにします。
講演2 エネルギーに依存しない水浄化技術の開発と自立型トイレへの応用
        土木工学科 教授 中野 和典 氏
水を浄化する花壇(ロハスの花壇)の開発で培った技術をトイレ洗浄水を再生する装置(e6s)
に応用しました。水再生装置e6sは、汚物を固形分と水に分け、水は浄化再生します。
非生物学的な処理で水を再生するため微生物を維持するための曝気が不要であり、水を循環
させる最小限の動力(再生可能動力)で稼働します。水再生装置と組み合わせることで、あら
ゆる水洗トイレが電気や上下水道に依存しない持続可能な自立型トイレに生まれ変わります。
講演3 地中熱・太陽熱を活用した水蓄熱空調システム
 機械工学科 教授 伊藤 耕祐  氏・機械工学科 専任講師 宮岡 大 氏
キャンパス内のロハスの家群跡地に建設中の施設には、地中熱・太陽熱を活用した水蓄熱空
調システムが導入されます。大気を熱源として熱交換する通常の空調システムでは、熱源温
度が冷房時は高く、暖房時は低くなり効率が低下しますが、このシステムでは蓄熱水を介し
て地中熱(地下水)と太陽熱を利用することで、熱源温度が夏冬共に安定し、高い効率が期
待できます。また、この蓄熱水は、施設屋上に散水すれば植栽への水やりだけでなく気化熱
による冷却効果も期待され、災害時には中水としても活用できます。
今後は改良を進め、広く普及し得るシステムを提案します。
講演4 疑似超解像度画像解析手法を用いた生細胞内細胞骨格の実時間観察
        機械工学科 教授 片岡 則之 氏
細胞内には太さ数〜10数nmの太さの繊維状タンパク質アクチンフィラメントが張り巡らされ、
それらが発生する張力、またネットワーク構造体で細胞の形状や機能が維持されています。
我々は、アクチンフィラメントが常に0.2から0.3μmの振幅、3Hz程度の周波数で揺らいでい
ることを見出しました。しかしながらこの振幅は光の空間分解能と同程度です。そこで、画
像処理技術を活用した擬似的な超解像度画像解析システムを独自に構築し、空間解像度を2.5
倍ほど向上させることに成功しました。
講演5 リモートセンシングを用いた地球環境と人との共生のためのモニタリング
       情報工学科 准教授 中村 和樹 氏
物体に触れずに計測する技術の総称はリモートセンシングと呼ばれ、人工衛星や無人航空機
(UAV)に搭載したセンサから得られるリモートセンシングデータを可視化して、地表で起
こる現象や動物の行動パターンのモニタリング研究に取り組んでいます。
このようなリモートセンシング技術は、地球の最果ての地である南極における氷の変化から
野生鳥獣の発見に至るまで、グローバルな変化からローカルの事象まで様々なものに応用で
きます。
問合せ TEL 048-857-3901 E-MAIL sangaku@saitama-j.or.jp
第1回大学シーズマッチングin日本大学は開催を終了しました