産学連携で技術力をアップ!

産学連携支援センター埼玉では、大学・研究機関が研究している先進的な技術シーズを紹介し、                                       研究者と研究開発型企業が、あらたな材料研究や製品開発を推進するための取り組みとして、                           産学連携技術シーズ発表会並びに大学シーズマッチング会を開催します。

令和5年度産学連携技術シーズ発表会【NEW】

 産学連携技術シーズ発表会は、研究開発型企業に対し、様々な産業分野に活用できる大学・研究機関の技術シーズを提供し技術連携につなげます。
第2回産学連携技術シーズ発表会【人間工学・AI・ロボット領域】

第1講演 人間工学を用いたロボット技術と医療工学への応用
埼玉工業大学工学部機械工学科 教 授  長井  力 氏
人間と機械システムやロボットがお互いを補いながら作業を行う機会が増えています。
人間とロボットが円滑に協調するためには、ヒトと機械の特性を理解し応用する必要があ
ります。このような人間工学の知識を工学に応用することでロボットに新たな付加価値を
与えられる可能性があります。本公演では、人の運動や技術を評価する手法や人間とロボ
ットが協調して動作する医療用パワーアシスト装置、生物の構造を参考にした触覚を計測
するセンサについて紹介します。
適用分野:医療福祉機器開発、運動評価、バイオメカニクス、触覚センサ、パワーアシスト

第2講演 人間の器用な職人技を伝承・再現するロボット技術
芝浦工業大学システム理工学部機械制御システム学科  桑原 央明 氏
少子高齢化が進む中で、指先の器用な技術を持った職人技の伝承が課題になっています。
この問題を解決するため、人間の指先の力覚情報をロボットにより抽出する技術を応用し、
ロボットにより人間の技を再現する方法、またはロボットがその職人技を別の人に伝える
方法について研究を進めています。今回、特に指先の力の入れ方をロボットが人間から学
び別の人に伝える方法についてご紹介します。
適用分野:農作物、食品など柔軟体を扱う製造業に展開可能です。特に、お菓子職人など
柔らかいものを器用に扱う技をロボットにより実現したいです。
また、介護など人の力の入れ方に工夫のいる作業を自動化することも可能です。

第3講演 荷揺れを自動制御して、荷物を移動させやすくする技術
東京電機大学未来科学部ロボット・メカトロニクス学科 教 授 石川  潤 氏
人とロボットが協働してロープで吊られた荷を揺らさずに協働で運搬するシナリオを想定
し、人とロボットの作業分担のあり方について考察します。具体的には、ロボット側にイ
ンピーダンス制御と制振制御を実装し、人とロボットが協働で吊荷を運搬するシステムの
一構成法を提案し、その性能の評価と解析を行いました。
実験結果から、制振制御を併用することで人間側の制振作業に関する負担を減らすことが
できるが、位置決め制御系の性能改善には大きく影響を与えないことがわかりました。
適用分野:荷物を吊り下げて、移動する作業(ロボット、クレーンなど)

第4講演 マスキングテープで、ひらがなやイラストを滑らかに描くための装置
東京電機大学理工学部理工学科 情報システムデザイン学系 准教授 勝本 雄一朗 氏
マスキングテープは塗装の養生用途のみならず、室内の壁面装飾にも用いられています。
マスキングテープは直線を引くことに優れていますが、曲線を引くとシワやネジれが発生
してしまいます。そのため文字や図画を書くことが困難です。そこで本研究は、テープを
細かく断裁し、連続して重ね貼りすることで、曲線を引くことのできるテープディスペン
サを開発しました。本講演では、本装置の開発経緯と実施例について説明いたします。
適用分野:クラフト、室内装飾、美術教育、塗装養生用途など

第5講演 機械学習を用いた自律移動ロボットのための制御パラメータの最適化
東洋大学理工学部機械工学科 准教授 山田 和明 氏
生産性向上のために工場などへの自律移動ロボット(AMR)の導入が進んでいます。
既存の台車を用いる場合、経年劣化などにより実際のAMRと設計者が想定した制御モデル
のパラメータとの間にはズレが生じるため、技術者が調整する必要がありました。
本研究では、機械学習の一種であるベイズ最適化により台車-AMRの制御モデルのパラメ
ータを自動的に調整することで、AMRの中心位置が目標経路からのズレを低減できること
を計算機実験により確認しました。
適用分野:ロボットの制御パラメータの自動的な微調整

第6講演 目的部位のみを局所加温する温熱治療装置、食品加熱解凍装置の開発
東洋大学理工学部機械工学科 准教授 新藤 康弘 氏
私たちの研究室では、電磁波を用いて人体や食品の目的部位のみを局所的に加温する治療
システムの開発を進めています。癌温熱治療や温熱リハビリテーションシステムとして応
用したいと考えております。また、超音波画像による生体内の非侵襲温度計測技術の開発
についても着手しております。ここでは、医工連携で開発した試作装置を用いた加温実験
および人体モデルを用いた解析結果を示し、本研究の有用性を紹介いたします。また食肉
を加温した結果についても示します。医療機器や食品解凍など多分野への発展も期待して
おります。是非ご興味ございましたらご連絡お待ちしております。
適用分野:医療分野、温熱リハビリテーション、食品加工(加熱解凍)など

第7講演 IoT機器に搭載可能な超小型モータの開発とその医療応用
日本大学理工学部精密機械工学科 教 授 齊藤  健 氏
研究者は学内の最小加工精度1μmの微細加工が可能な施設を管理しており、シリコン製の
超小型モータやセンサの開発を進めています。静電気力で動作する超小型モータは、2㎜角
のサイズでも60Vの低電圧で150mgの物体を駆動できます。本講演では、開発したモータの
有効性を示すために、mmサイズのマイクロロボットへの実装例を紹介します。また、現在
取り組んでいる小型ロボットによる医工連携プロジェクトついても併せて説明します。
適用分野:電機,機械,医薬における微小物体の駆動およびセンシングに使用できます。
具体的には小型IoT機器、精密機器、小型ロボットシステムなどに応用できます。

第8講演 世界中のバリア位置を明らかにするための人とAIの共創プラットフォーム
日本大学文理学部情報科学科 教 授 宮田 章裕 氏
バリアの位置を地図上に可視化したバリアフリーマップは,移動に困難がある人々の安全な
移動と社会参加を促進する重要ツールです。バリアの位置情報は自動配送ロボットの経路決
定にも役立つ可能性があります。しかし,バリア情報収集のためのコストが高く,大半のバ
リアフリーマップは広範囲のバリア情報を網羅的に提供できていません。本講演では,人と
AIが連携することにより,市民が投稿した写真・歩行データからバリア情報を抽出して地図
上に可視化するバリアフリーマップ生成プラットフォームについて紹介します。
適用分野:福祉,地図・ナビゲーション,自動配送ロボット,CSRを重視する全業界

受講方法
令和5年8月29日(火)~9月7日(木)10日視聴できます
録画された講演を受講者を限定しましてオンライン動画配信します。
問合せ TEL 048-857-3901 E-MAIL sangaku@saitama-j.or.jp

受講を希望される方はこちらから申込をお願いします

第1回産学連携技術シーズ発表会【材料・化学領域】
第1講演 電気不要の感熱型調光材料・感光型調光材料
     埼玉工業大学工学部 教 授 木下  基 氏
第2講演 天然ナノ材料を用いた布への消臭性等の機能付与
     東京家政大学家政学部 教 授 濱田 仁美 氏
第3講演 ホルムアルデヒドをアルコールに変えるパラジウム触媒
     東京電機大学工学部応用化学科 准教授 山本 哲也 氏
第4講演 縦型高速双ロール鋳造法を用いたアルミニウム合金の
     リサイクル技術の現状と課題
     東京電機大学工学部理工学科  准教授 原田 陽平 氏
第5講演 材料表面の超微細加工とナノスケール構造解析
     東洋大学理工学部応用化学科 教授 片野 諭 氏
第6講演 元素を礎にした新規化学種の発掘
     東洋大学理工学部応用化学科 教授 佐藤 総一 氏
第7講演 カルシウム複塩の材料活用可能性
     日本大学生産工学部環境安全工学科 専任講師 亀井 真之介 氏
第8講演 ペーストのメモリーを利用したクラック発生の制御
     日本大学理工学部一般教育 教 授 中原 明生 氏
第9講演 ダイヤモンド状炭素薄膜コーティングの医療・環境分野への応用
     日本工業大学基幹工学部応用化学科 教 授 伴 雅人 氏
第10講演 製品の信頼性向上に有効な接合技術
     ものつくり大学技能工芸学部総合機械学科 准教授 平野  聡 氏
問合せ TEL 048-857-3901 E-MAIL sangaku@saitama-j.or.jp
第1回産学連携技術シーズ発表会は開催を終了しました

 

令和5年度大学シーズマッチング会

 大学シーズマッチング会は、工科系大学で優れた研究実績を有する大学から産業への実用化が見込まれる技術を紹介し企業との技術連携につなげます。

 

第1回大学シーズマッチング会in日本大学
1 研究概要 ロハス工学の取組について
          工学研究所長 教授 岩城 一郎 氏
ロハス工学とは日本大学工学部の教育・研究のスローガンで、健康で持続可能な社会の実現
を目指したものです。ここでは、ロハス工学の変遷、研究領域について解説するとともに、
令和元年東日本台風で被災したキャンパスの再生プロジェクトについて紹介します。
さらに、SDGsやカーボンニュートラルが提唱されている社会情勢に鑑み、工学のみならず
医療・農林業・福祉など他分野との融合を目指したロハス学への進化を提唱します。
2 研究シーズ紹介
住 環 境 ①縦ログ・パネルログ構法
         建築学科  教授 浦部 智義 氏・機械工学科 専任講師 宮岡 大 氏
平積みが一般的なログ材の活用方法を斬新に変革し、無垢材を縦に合わせてパネル化を目指
したもので、「構造材」・「外装材」・「内装材」・「断熱材」の役割を果たす木質パネル
を基本とする、「縦ログ・パネルログ構法」を紹介します。地場産木材利用、地元大工の参
加など地域経済への波及も考えられます。
また、この構法を普及させる一策として、縦ログ・パネルログの蓄熱効果について、実測調
査とシミュレーション計算によって明らかにします。
水 浄 化 ②エネルギーに依存しない水浄化技術の開発と自立型トイレへの応用
         土木工学科 教授 中野 和典 氏
水を浄化する花壇(ロハスの花壇)の開発で培った技術をトイレ洗浄水を再生する装置(e6s)
に応用しました。水再生装置e6sは、汚物を固形分と水に分け、水は浄化再生します。
非生物学的な処理で水を再生するため微生物を維持するための曝気が不要であり、水を循環
させる最小限の動力(再生可能動力)で稼働します。水再生装置と組み合わせることで、あら
ゆる水洗トイレが電気や上下水道に依存しない持続可能な自立型トイレに生まれ変わります。
エネルギー③地中熱・太陽熱を活用した水蓄熱空調システム
            機械工学科 教授 伊藤 耕祐 氏・機械工学科 専任講師 宮岡 大 氏
キャンパス内のロハスの家群跡地に建設中の施設には、地中熱・太陽熱を活用した水蓄熱空
調システムが導入されます。大気を熱源として熱交換する通常の空調システムでは、熱源温
度が冷房時は高く、暖房時は低くなり効率が低下しますが、このシステムでは蓄熱水を介し
て地中熱(地下水)と太陽熱を利用することで、熱源温度が夏冬共に安定し、高い効率が期
待できます。また、この蓄熱水は、施設屋上に散水すれば植栽への水やりだけでなく気化熱
による冷却効果も期待され、災害時には中水としても活用できます。
今後は改良を進め、広く普及し得るシステムを提案します。
医療・バイオ ④疑似超解像度画像解析手法を用いた生細胞内細胞骨格の実時間観察
         機械工学科 教授 片岡 則之 氏
細胞内には太さ数〜10数nmの太さの繊維状タンパク質アクチンフィラメントが張り巡らされ、
それらが発生する張力、またネットワーク構造体で細胞の形状や機能が維持されています。
我々は、アクチンフィラメントが常に0.2から0.3μmの振幅、3Hz程度の周波数で揺らいでい
ることを見出しました。しかしながらこの振幅は光の空間分解能と同程度です。そこで、画
像処理技術を活用した擬似的な超解像度画像解析システムを独自に構築し、空間解像度を2.5
倍ほど向上させることに成功しました。
ドローン ⑤リモートセンシングを用いた地球環境と人との共生のためのモニタリング
        情報工学科 准教授 中村 和樹 氏
物体に触れずに計測する技術の総称はリモートセンシングと呼ばれ、人工衛星や無人航空機
(UAV)に搭載したセンサから得られるリモートセンシングデータを可視化して、地表で起
こる現象や動物の行動パターンのモニタリング研究に取り組んでいます。
このようなリモートセンシング技術は、地球の最果ての地である南極における氷の変化から
野生鳥獣の発見に至るまで、グローバルな変化からローカルの事象まで様々なものに応用で
きます。
問合せ TEL 048-857-3901 E-MAIL sangaku@saitama-j.or.jp
第1回大学シーズマッチングin日本大学は開催を終了しました