シーズ発表会 YouTube限定公開による講演動画の配信です
配信期間 2月25日(日)まで視聴できます
大学シーズマッチング会in埼玉大学を動画配信をいたします。
講演の技術シーズには、研究開発に関わる特許・実用新案等も含まれます。
視聴をされた方以外への配信は、研究者の知財保護からお控えくださるよう、お願いします。
大学シーズマッチング会in埼玉大学
第1講演 植物や微生物の動きをとらえて生産効率を高めるAEセンシング
埼玉大学 大学院理工学研究科人間支援・生産科学部門 教授 蔭山 健介 氏
触れるだけで脈波から超音波まで様々な微弱な音響・振動を検出できるエレクトレット
センサ(ECS)を開発しています。 ECSを用いて植物・微生物・生体の音響放射(AE)を検出
することで、生物の活動状態を把握することが可能であり、作物やバイオマスの生産効
率の向上への貢献や、ヘルスケアへの応用を目指しています。
本講演では、イチゴ栽培、ショ糖溶液中のイースト菌発酵、藻類の培養などへの適用事
例を紹介します。
■適用分野・用途・業界
・植物、農業、微生物、食品、バイオマスなど
第2講演 ウイルス感染と遺伝子の働き
埼玉大学 大学院理工学研究科生命科学部門 助教 高橋 朋子 氏
ウイルスがヒトに感染すると、自然免疫と獲得免疫により生体が防御されます。これら
は、抗ウイルス性サイトカインや抗体などの「タンパク質による免疫」や、マクロファ
ージや細胞障害性T細胞などの「細胞による免疫」であるといえます。
近年、これらに加えて「RNAによる免疫」の重要性が明らかになりつつあります。
本講演では、ヒトゲノムにコードされた「microRNAによる免疫」の分子機構、意義、
多様性と、核酸医薬への展開について紹介します。
■適用分野・用途・業界
・医薬品など
第3講演 光線力学療法を目指したポルフィリン誘導体の合成研究
埼玉大学 大学院理工学研究科物質科学部門 教授 松岡 浩司 氏
患者のQOLを配慮したがんの低侵襲性治療を実現する「光線力学的療法」があります。
この療法を支えるポルフィリン誘導体の合成技術を紹介します。
本技術の特徴は、重合性のポルフィリン誘導体および、水溶性及び生体適合性の高い
種々の重合性糖鎖の合成と重合による一段階作成技術です。
独自の技術であるため、従来技術や競合技術との関連は低いです。
■適用分野・用途・業界
・医療、医薬、バイオ関連 ・検査薬、診断薬、治療薬
第4講演 免疫測定法へのナノ抗体提示多糖の活用
埼玉大学 大学院理工学研究科物質科学部門 助教 松下 隆彦 氏
ラクダ科動物に由来するナノ抗体(VHH抗体)は、ファージディスプレイ法などで迅速
に開発できることから、従来のIgG抗体に代わる次世代型抗体として期待されています。
しかし、ナノ抗体を使ったサンドイッチELISAでは、固相化したナノ抗体の失活や剥離が
検出感度の低下をもたらしていました。 私たちは水溶性多糖とナノ抗体分子の複合体を
開発し、これを固相化してELISAに用いたところ、ナノ抗体を単独で用いた場合に比べて
検出感度が向上することに成功しました。
■適用分野・用途・業界
・医療、医薬、バイオ関連 ・検査薬、診断薬、治療薬
第5講演 医薬部外品、化粧品成分の有効性毒性試験はこのシステム1つで
埼玉大学 大学院理工学研究科物質科学部門 准教授 鈴木 美穂 氏
生細胞内の酵素活性、粘性、pH変化等の異なる現象を複数同時計測する手法の紹介です。
蛍光性のセンサーを作製します。細胞毒性や細胞内環境変化のセンサーを導入すると毒性
試験が、細胞の活性化で機能する酵素のセンサーを導入すると有効成分試験が可能です。
感度良くハイスループット処理する為、動物やオルガノイド不要の高精度細胞ベースアッ
セイです。センサーは対象に応じて作製し、血液、汗、唾液、尿等も試料となります。
1種のセンサー中の2つの蛍光強度比を計測する仕組で、内部標準やバックグラウンド補
正も不要です。
■適用分野・用途・業界
・医薬部外品 ・機能性食品 ・機能性化粧品
第6講演 感染症診断用の超高感度蛍光イムノクロマトキットの開発
埼玉大学 大学院理工学研究科物質科学部門 准教授 幡野 健 氏
我々は凝集誘発発光(Aggregation-induced emission: AIE)の特性を持つ蛍光物質を高分子
微粒子中に封じ込めることによって、非常に明るく発光する蛍光微粒子を製造する技術を
開発しました。さらにこの微粒子を標識化物質とした超高感度蛍光イムノクロマトキット
の作製を行ったところ、これまでに販売されているイムノクロマトキットに比べて、著し
く高感度で抗原を検出できることが分かりました。
■適用分野・用途・業界
・医療、医薬、バイオ関連 ・検査薬 ・ウィルス検出
第7講演 スーパーキャビティリングダウン法による過渡吸収測定
埼玉大学 大学院理工学研究科物質科学部門 准教授 前田 公憲 氏
キャビティリングダウン(CRD)法は、パルス光をミラー等により構成された光キャビ
ティ内に閉じ込めることにより、吸収測定を高感度化させる手法です。
プローブ光としてスーパーコンテニューム光源を用いることで、光有機化学反応中間体
の過渡的観測感度を飛躍的に増大させ、小さな過渡吸光度変化(例えば化学反応の磁場
効果)を有効に計測する方法を開発しました。
SC光源の特徴を生かし、波長、時間依存性の同時測定が可能です。
■適用分野・用途・業界
・医療、医薬、バイオ関連 ・材料・化学関連 ・光吸収測定装置 ・光有機化学分野
第8講演 インライン全数検査を目指す高速・非接触・高精度な製品表面形状検査
埼玉大学 大学院理工学研究科数理電子情報部門 准教授 塩田 達俊 氏
製造ラインでは品質と信頼性の維持のため、全個体での表面や塗装面の欠陥検出が必須です。
しかし、既存の計測器では検査スピード、計測範囲、振動環境下での計測、コストに難があ
り、実用化が進まない現実があります。そこで本研究室で開発した光周波数コムシングルシ
ョット断層イメージング法を提案します。表面形状や内部構造を光干渉計とCCDでリアルタ
イムに撮像する技術や、層構造の層毎のスペクトルを分離解析できる技術を紹介します。
■適用分野・用途・業界
・製造業 ・表面検査
第9講演 ポンプ及びこのポンプに用いるポンプ用対向子
埼玉大学 大学院理工学研究科戦略的研究部門 教授 高崎 正也 氏
超音波振動を利用したポンプを紹介します。本技術では、超音波振動する面と対向する面
のギャップが小さくなったときに発生するスクイーズ効果を利用してポンプ効果を発現さ
せます。1方向のみに流体が流れるように対向面に傾斜を設けたことを特徴とします。
非接触のため従来技術のような接触による摩耗とそれに伴う寿命の短縮が回避でき、構造
の簡略化が可能です。医薬や食品、精密機器等の摩耗を嫌う分野への応用が期待できます。
■適用分野・用途・業界
・機械、設備関連 ・極限環境分野(高温、低温、強磁場等)
・医療分野 ・小型携行ポンプ分野
第10講演 緊急地震速報感知型-揺れる前から安全に守るAL免震
埼玉大学 大学院理工学研究科環境科学・社会基盤部門 教授 齊藤 正人 氏
美術品や文化財、薬品などの地震時における転倒や破損・損壊を阻止するための機構を紹
介します。装置の上に保護対象物を設置しておくと、緊急地震速報の受信、あるいは地震
を直接感知することで、対象物を保護する機構が作動し、地震の揺れに対して安定した状
態を保ちます。本機構は、粒状体群を変形・移動させることで、保護対象物を緩やかに傾
斜あるいは粒状体内に沈降させて、物理的に安定した状態に遷移させるものです。
■適用分野・用途・業界
・防災 ・美術品、文化財、薬品の保護
第11講演 『非認知能力』の育成とその評価 -OPPA論を中心として-
埼玉大学 教育学部自然科学講座 准教授 中島 雅子 氏
試験や検査などで測定できる知識や技能等の認知能力のみならず、仕事への取り組み姿勢
やコミュニケーション能力など数値化できない非認知能力の重要性が高まっています。
一枚ポートフォリオ評価論(OPPA)は、主観的で相対的になりがちな評価を、概念や考
え方の形成過程に沿った形で評価する、日本生まれの教育論です。
一枚のポートフォリオシートを用いて行うこの手法は、今後、企業で必要とされる非認知
能力の育成と評価に展開できると期待できます。
■適用分野・用途・業界
・教育産業 ・人材コンサルタント ・一般企業での人事部門など
産学連携支援センター埼玉では、産学連携に関する技術相談や共同研究を推進しています。
講演頂いた先生方は、産学連携の取り組みに積極的な研究者・技術者ですので、
製品技術や研究開発に関することなど相談されたい方は、当センターにご連絡ください。
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