募集中産学連携支援

【募集中】令和7年度 第1回産学連携技術シーズ発表会【材料・化学に関する分野】 ※オンラインで講演配信

産学・知財支援グループでは、大学・研究機関の研究・技術シーズと研究開発型企業が連携し、新たな製品・技術を開発する取り組みとして技術シーズ発表会を開催します。
第1回シーズ発表会のテーマ、「材料・化学分野」です。大学・研究機関から技術指導や共同研究を希望する企業は、ぜひ受講ください!

〇第1回産学連携技術シーズ発表会
【材料・化学に関する分野】

■視聴できる期間
令和7年7月17日(木)~8月1日(金)16日間視聴できます

■視聴方法
講演の視聴を希望される方は、受講申込をお願いします。
受講申込をされた方へ、録画講演を視聴できるURLを限定で配信します
URLは、受講者のメールアドレスに開催前日までにメールでお知らせします。
配信期間中はいつでも聴講可能です。
■申込期限
令和7年7月16日(水)16:00

■概 要(講演時間は10分~15分程度です)

第1講演
「医薬・農薬などの性能を左右する鏡像異性体の分離技術」
埼玉大学 工学部 准教授 小玉 康一 氏

医薬品、食品、農薬、香料といった分野では、分子の「利き手」にあたる鏡像異性体の違いが、効果や安全性に大きな影響を与えることがあります。そのため、目的に合った“片方の分子だけ”を選び取る分離技術が重要です。
本講演では、こうした鏡像異性体の分離(光学分割)技術の基礎から、従来法より工程数を削減した簡便な方法、またゲルベースの新しい分離手法までを分かりやすく紹介します。企業にとっても、製品の付加価値向上や差別化に直結する技術です。

  ■利用が期待される用途
  ・医薬品の有効成分の純度、安全性の向上
  ・高機能材料、機能性素材の開発
  ・その他農薬・食品・香料業界など
  ■相談できる分野や研究内容
  有機材料に関する内容であれば、幅広く相談を受けることができます

 

第2講演
「水素センサ革命 ~貴金属×高温動作の壁を超えた~」
東京電機大学 工学部電気電子工学科 准教授 金杉 和弥 氏

水素を安全に活用するには、漏れの早期検知が不可欠です。しかし現行の水素センサは、
白金やパラジウムといった高価な貴金属を使い、動作にも高温が必要なため、設置や運用に
コスト・安全上のハードルがあります。
本講演では、貴金属を使用せず、室温で作動する新型水素センサ技術をご紹介します。
従来の課題を克服しながら、導入しやすいシンプルな構造と安全性を両立。製造現場や設備
保守、インフラ管理において、コストを抑えつつ爆発事故のリスクを低減するソリューショ
ンとして注目されています。

  ■利用が期待される用途
  ・高温が使えない環境での水素検知(密閉設備、屋外など)
  ・白金やパラジウムの調達リスク低減を目指す企業
  ■相談できる分野や研究内容
  1.薄膜、表面改質
  2.QCM型水素ガスセンサ、アモルファス炭素膜、プラズマ表面改質

 

第3講演
「エマルション革新:ナノ化への鍵は超音波」

東京電機大学 工学部応用化学科 教授 小林 大祐 氏

ナノサイズの微粒子や液体の安定化は、化粧品・医薬品・食品・塗料など幅広い製品開発に不可欠です。
本講演では、超音波を使って微粒子やエマルションのサイズを精密にコントロールする新技術をご紹介します。
特に、低周波と高周波を段階的に使うことで、100ナノメートル前後の液滴を、界面活性剤をほとんど使わずに安定化できる方法を解説します。
環境配慮型でコスト削減にも貢献するこの技術は、原料・素材の新しい加工手段として企業の製品開発にも応用可能です。

  ■利用が期待される用途
  ・化粧品、医薬品、食品向けの高機能エマルション
  ・環境負荷の少ない界面活性剤削減技術
  ■相談できる分野や研究内容
  1.超音波化学、反応工学、移動現象、水素エネルギー
  2.超音波利用技術(有機物分解、微粒子・エマルション合成、分離システム)、水素キャリア製造・利用システム

 

第4講演
「強く、割れない、剥がれないコーティング技術」

日本大学 工学部生命応用化学科 教授 上野 俊吉 氏

従来のように保護皮膜を材料に被覆するのではなく、基材と保護皮膜を一体化させる新しいコーティング技術を開発しました。
ひび割れや剥離が起きにくく、耐久性・耐食性・硬度が飛躍的に向上します。金属やセラミックを始め、すべての基材に応用できます。
また、通常の材料とは異なり、結晶同士が直接接触しているため、装置部品や電子デバイス材料への展開も期待されています。

  ■利用が期待される用途
  金属やセラミックス材料に関して
  ・材料や部品の腐食、摩耗、熱等による劣化を抑制し、長寿命化させる保護皮膜
  ・金属やセラミックス材料に関して、機能界面を活用した高機能デバイス開発技術
  ■相談できる分野や研究内容
  1. セラミックスおよび金属材料
  2. セラミックスおよび金属の組織制御法の開発、分析方法、皮膜形成技術、新技術を可能にする新規設備設計

 

第5講演
「“捨てる物質”を資源に変える多孔質材料の力」

日本大学 理工学部物質応用化学科 教授 梅垣 哲士 氏
環境に蓄積されたCO₂やアンモニアを有効利用する方法として、多孔質材料でこれらを反応させて尿素などの有用化合物に変換する技術を開発しています。
本講演では、エネルギー消費が大きい従来の高温・高圧プロセスを回避し、多孔質材料にあるナノ空間を活用することで、低温でも変換可能な新しい技術を紹介します。この技術は、省エネルギー化と環境負荷軽減に貢献し、未利用物質の資源化や、機能性材料としての応用が期待されています。

  ■利用が期待される用途
  ・廃ガスや未利用物の有価資源化
  ・蓄熱材料や肥料など機能性素材の開発支援
  ・環境対策やカーボンニュートラルを目指す企業
  ■相談できる分野や研究内容
  1. 相談できる分野 触媒、無機材料、吸着、環境、エネルギー、ナノテクノロジー
  2. 相談できる研究内容 触媒調製、無機材料合成、多孔質材料、ナノ空間化学、環境負荷物質(二酸化炭素、亜酸化窒素)変換、エネルギー媒体変換

 

第6講演
「医療・ヘルスケアで使える!ナノ素材最前線」

産業技術総合研究所 材料・化学領域 材料基盤研究部門 研究グループ長 中村 真紀 氏

健康長寿社会の実現に向け、医療・ヘルスケア分野において、ナノ材料技術を活用した高機能な素材やセンサの開発を進めています。
具体的には、体内で薬を放出する微粒子や薄膜、病原体や生体微量ガスを検出するセンサなどの開発を通じて、病気の予防・早期発見・治療や生活の質の向上を目指します。使用する素材は、リン酸カルシウム、金属ナノ粒子、半導体セラミックス、糖鎖など多岐にわたり、必要な機能に応じてカスタマイズしています。

  ■利用が期待される用途
  ・医薬品、医療機器分野(治療材料、抗菌素材)
  ・ヘルスケア分野(オーラルケア、化粧品)
  ・バイオセンシング分野(病原体検出、健康モニタリング)
  ■相談できる分野や研究内容
  1.ナノ材料化学、無機材料化学、生体材料学、生物有機化学、分析化学、食品衛生学
  2.ナノ材料(微粒子・薄膜など)の合成・構造制御・機能性物質(薬など)との複合化、ナノ材料のバイオ機能評価、センシング素子の合成・固定化、健康関連物質のセンシング、食中毒菌の特徴・感染症状・検出法

 

第7講演
「食品添加物由来の安心・安全な防食剤 -排水基準をクリア、工場、食品分野、水処理に-」

日本原子力研究開発機構 防食材料技術開発グループ 研究員 大谷 恭平 氏
従来の防食剤には、亜鉛など環境負荷の高い成分が含まれ、排水規制や毒性の問題がありました。本技術は、食品添加物としても使用される乳酸アルミニウムとモリブデン酸ナトリウムを用いた、低毒性・低環境負荷な新しい腐食抑制剤です。冷却・温調循環系などの中性淡水環境下で、炭素鋼の腐食を効果的に抑制します。既存品よりも低濃度で効果が高く、排水基準にも抵触しないため、食品工場・化学プラント・空調設備など幅広い分野での応用が期待されます。

  ■利用が期待される用途
  ・金属、セラミック部品の高耐食コーティング
  ・長寿命、高信頼性が求められる製造装置部品の表面改質
  ・食品工場、飲料工場の配管、設備保護
  ・病院、製薬工場の純水設備、滅菌水循環系
  ・ビル、商業施設の空調(HVAC)冷却水系

 

■申込方法
受講を希望される方は、方法1または方法2のどちらかでお申し込みください。
受講申込後、講演を視聴できるURLを開催日までに配信します。

 

方法1:下記申込フォームに必要事項を入力のうえ、事務局にお申し込みください
申込フォーム(Googleフォーム)
方法2:下記募集チラシに必要事項を記載のうえ、事務局にお申し込みください

 

    送信先のメールアドレス sangaku@saitama-j.or.jp


第1回産学連携技術シーズ発表会チラシ
 

【問い合わせ先】
 公益財団法人 埼玉県産業振興公社
 新産業振興部 産学・知財支援グループ
 〒338-0001 埼玉県さいたま市中央区上落合2-3-2 新都心ビジネス交流プラザ3階
 TEL. 048-857-3901  FAX.048-857-3921
 メール sangaku@saitama-j.or.jp