【募集終了】令和7年度 第2回産学連携技術シーズ発表会【人間工学・AI・ロボット分野】 ※オンライン配信
当公社では、大学・研究機関の研究・技術シーズと企業が連携し、新たな製品・技術を開発する取り組みとしてシーズ発表会を開催します。
第2回シーズ発表会のテーマは、「人間工学・AI・ロボット分野」です。
本テーマにご関心や興味をお持ちの方、大学から技術指導などをお考えの方はお気軽にお申込みください。1講演の視聴も可能です。
〇第2回産学連携技術シーズ発表会【人間工学・AI・ロボット分野】
■配信期間
令和7年9月19日(金)~10月6日(月) 18日間視聴できます
■受講方法
YouTubeを利用した視聴者限定配信です。(聴講の申し込みが必要です)
録画された講演を視聴いただきます視聴時間は1講演10分~15分です。
申し込みされた方へ、開催日の前日までに視聴用URLをメールでお知らせします。
■申込期限
令和7年9月18日(木)16時まで
■概 要(講演時間は10分~15分程度です)
第1講演
「個人に最適なリハビリをAIが自動生成!」
埼玉大学大学院理工学研究科 機械科学部門 助教 大澤 優輔 氏
リハビリや歩行訓練では、専門家が個人の体に合わせた指導を行いますが、これには高度な知見が必要です。
本講演では、生成AI(CycleGAN)を用いて筋力や関節可動域など個人差に応じた「理想的な歩き方(歩容)」を自動生成する技術を紹介します。
専門家に頼らずとも、個人に最適な運動目標の提示やアシスト機器制御への応用が期待されます。 |
■利用が期待される用途
①医療・介護現場でのリハビリテーション支援
②高齢者の歩行支援・転倒予防
③スポーツ分野での動作解析・トレーニング最適化
第2講演
「なんとなく使っていませんか?PID補償器をちゃんと設計する話」
埼玉工業大学 工学部 機械工学科 制御工学研究室 准教授 萩原 隆明 氏
PID制御は多くの現場で使われていますが、「とりあえずこの設定で…」と感覚で決めてしまうこともあります。安定しているように見えても、制御対象の動きを理解しないままでは、思わぬトラブルを招くことがあります。
本講演では、制御の経験が少ない方にも取り組みやすい形で、P・I・Dそれぞれの役割や調整の考え方を紹介します。温度制御やモータ制御など、よくある事例をもとに、どう設定を考えればよいかを分かりやすく解説します。PID制御の基本を見直したい方にも役立つ内容です。 |
■利用が期待される用途
①プロセス制御(温度・圧力・流量など):化学プラントや製薬、食品加工などの連続生産ラインでの応用。
②製造装置・試験設備の制御:モーター速度制御や搬送装置、環境試験装置などの安定化制御。
③PID制御の設計・チューニング:設定値の見直しや最適化に関するアドバイス。
④制御特性の評価と性能改善:応答特性の解析やオーバーシュート抑制などの改善支援。
第3講演
「ロボット×AIで進化する農業とスポーツ支援」
芝浦工業大学 システム理工学部 機械制御システム学科 准教授 大谷 拓也 氏
人間のもつ“ばね性”や“全身連動”といった身体の特長をロボットに取り入れることで、より自然で効率的に動くロボットを開発しています。これらの技術を応用し、自動農作業ロボットやスポーツ支援機器の実用化に向けた研究を企業と連携して進めています。 |
■利用が期待される用途
①自動農業ロボットの実用化,応用
②ロボットによるスポーツトレーニング
第4講演
「人手いらず? 未来の自動プログラミング」
東京電機大学 システムデザイン工学部 情報システム工学科 教授 阿部 清彦 氏
ソフトウェア開発の現場では、コードを書くことだけでなく、バグ修正にかかる労力やコストが大きな課題となっています。
本講演では、ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)と最適化技術を組み合わせることで、ソフト開発からバグ修正までを自動化する最新の取り組みをご紹介します。
人手に頼らず、効率的かつ高品質なソフト開発が可能となる未来の展望は、少人数で開発を行う中小企業にとっても大きな武器となります。 |
■利用が期待される用途
①ソフトウェア製品の品質向上・バグ修正の省力化
②アプリ開発やWebサービスの効率化
第5講演
「AIが変えるコンテンツ制作と製造現場」
東京電機大学 システムデザイン工学部 情報システム工学科 教授 阿倍 博信 氏
コンテンツ制作や機械の製造現場では、人手や時間の制約が大きな課題となっています。
本講演では、AIを活用して「創る」作業や「造る」作業を効率化・支援する技術をご紹介します。例えば、イラストやアニメ制作の現場では、線画の着色作業やモデリング作業の自動化、製造現場では、工作機械の設計支援のためのデジタルツイン技術などを研究開発しています。映像・画像・音声といったマルチメディアデータをAIが解析・生成することで、中小企業でも導入しやすい支援技術の実例を多数紹介します。 |
■利用が期待される用途
①製造業:工作機械の設計支援、異常検知、現場の可視化・省力化
②コンテンツ産業:イラスト・アニメ・ゲーム制作の効率化支援
第6講演
「寒さも水も平気! 南極帰りのロボット技術」
日本工業大学 先進工学部 ロボティクス学科 准教授 山縣 広和 氏
南極探査を成功させた自律型水中ロボットの開発と現場での運用経験を活かし、防水・防寒・自律化など過酷環境に対応する設計技術を研究しています。
これらの知見は、農業・漁業・インフラ点検など、現場環境が厳しい分野にも応用可能です。
南極探査ロボの事例をベースに、水中ロボットを用いた幅広い分野の効率化・省力化や、これらを支える防水を始めとした要素技術を紹介します。 |
■利用が期待される用途
①水域調査:自律・遠隔航法による探査ロボット
②農業、漁業:水・湿地・粉塵環境下の自動作業機器
③インフラ・防災:ダム・ため池・配管・水路等の狭所/水中点検ロボット
④科学、教育:水中ロボット教材/研究機材開発
第7講演
「体を動かさず操る! 新しいVRインタフェース」
日本工業大学 先進工学部 ロボティクス学科 助教 望月 典樹 氏
体を動かさずにアバターやロボットを操作するVRインタフェース「Motion-Less VR」を開発しています。“動こうとする力”を検出し、人体の構造に基づいて動きを生成するしくみにより、動作スペースが限られた環境や体を自由に動かせない方でも、自然で直感的な操作を目指します。意図の計測、動きの計算、感覚のフィードバックといった基盤技術に加え、今後の展開もご紹介します。 |
■利用が期待される用途
①医療・介護・リハビリ:身体を自由に動かせない方の社会参加支援・認知刺激
②ロボット遠隔操作:座ったままヒューマノイドを操る遠隔作業・観光体験
③エンターテインメント:省スペースでも無限に動ける没入型VR体験
第8講演
「交通や人の流れ,混雑を明らかにする“視える化”技術」
ものつくり大学 技能工芸学部 情報メカトロニクス学科 准教授 上原 健嗣 氏
カメラや携帯端末により取得される交通・人流データを用いて,動線や滞留を分析するデータ可視化や、数理モデルについて研究しています。人流の特徴を把握して、観光地の混雑エリアを特定したり、観光客の行動を分析することが可能です。
また、この技術は工場内における人の動線や、製品の追跡と言った応用も期待できます。 |
■利用が期待される用途
①交通インフラ(人・車・航空機等)の流れ最適化
②観光地の人流分析
③製造現場における作業動線や製品追跡
第9講演
「その音、誰のため? -人間の感覚特性を生かした音響設計-」
日本大学 理工学部 精密機械工学科 教授 松田 礼 氏
私たちは日常生活の中で多くの音から情報を受け取り、行動しています。
本講演では、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載されている車両接近通報音の研究開発を例に、人間の聴覚特性や感性を生かした音響設計の考え方や技術について紹介します。 |
■利用が期待される用途
①人間の感覚特性を応用した製品開発全般(特に音響設計)
②家電、OA機器、医療・福祉機器、自動車
第10講演
「洗う・壊すを一瞬で! テッポウエビに学ぶ水中作業の革新技術」
中央大学 理工学部 精密機械工学科 助教 伊藤 文臣 氏
テッポウエビの高速運動に学び、空気圧人工筋肉によって水中で強力なキャビテーションを発生できるロボットを開発しました。安全・軽量な構造は水中ドローンをはじめとする無人機への搭載や狭所作業にも適しており、水中における洗浄や工事などに利用できます。産業応用に向けた企業との共同研究を希望します。 |
■利用が期待される用途
①下水・工場排水エリアの水底汚染除去
②港湾・ダム・橋梁など水中構造物の洗浄
③水環境保全・水棲外来生物の駆除
■チラシ
[第2回産学連携技術シーズ発表会チラシ(PDF)]
お問い合わせ先
公益財団法人 埼玉県産業振興公社
新産業振興部 産学・知財支援グループ
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