募集中産学連携支援

産学連携技術シーズ発表会(生命工学分野) 国立研究開発法人産業技術総合研究所    講演動画配信:受講者限定版

産学連携支援センター埼玉では、大学・研究機関の研究・技術シーズと研究開発型企業が連携し、新たな製品・技術を開発する取り組みとして技術シーズマッチング会を開催します。本技術シーズ発表会は、産総研の生命工学分野で産業の実用化が見込める技術シーズを講演します。産総研と連携し、貴社の製品・技術開発を推進したい企業の受講をお待ちしています。

〇産学連携技術シーズ発表会(生命工学分野)         【国立研究開発法人 産業技術総合研究所】

開催概要

■視聴できる期間

令和4年10月11日(火)~10月20日(木)10日間視聴できます
You Tubeを活用し視聴申込をされた方へ限定配信します

■視聴方法

視聴を希望される方は、受講申込をお願いします。
受講申込をされた方へ、講演録画を視聴できるURLを限定で配信します
URLは、受講者のメールアドレスに開催前日までにメールでお知らせします。
配信期間中はいつでも聴講可能です。

■参加費  無 料

■定 員    60名

■概 要

第1講演 溶液中における1分子動態・分子間相互作用の定量技術【20分】  
                                産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門    佐々木 章 氏

分子の拡散による蛍光シグナルの揺らぎを解析する、蛍光相関分光法を基礎とした様々な関連法を駆使し、1分子のサイズや数、相互作用を溶液中や生きた細胞内で定量している。電気泳動で得られるような情報を分子が機能するその場で取得できる点が強みである。また、分子の濃度を検出分子数から(分子量の情報や検量線不要で)絶対定量する技術を持っている(特許6590244号)
【用途】タンパク質や核酸分子の定量、化粧品、医薬品等に用いられるナノサイズの生体粒子・材料の品質管理、細胞内相互作用解析
【業界】製薬、化学、材料、バイオテクノロジー

第2講演 抗菌性を発揮する骨再生材料【20分】      
                                産業技術総合研究所 健康医工学研究部門            杉浦 悠紀 氏

超高齢社会を迎えるにあたり、骨格系の維持、これの再生の重要性が増大している。現行の骨補填材は、骨再生を促すことが出来る一方で、術後感染症のリスクを高めることから、高齢者への適応を躊躇せざるを得なかった。本技術は、骨補填材の母材と抗菌剤を独自技術で複合化させることにより、高い骨再生はそのままに、術後感染症抑制機能を発揮し、これまで適応外の症例への適応が期待される。
【適用分野・用途・業界】口腔外科、整形外科・骨補填材、骨再生材料・医用材料(生体材料)

第3講演 腸内細菌を利用したアワビの成長促進技術【20分】      
                               産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門          伊藤 英臣 氏

海藻を主食とするアワビの腸内から、様々な海藻多糖類を旺盛に分解できる新種細菌を発見した。発見した優れた海藻多糖類分解細菌をプロバイオティクスとしてアワビ稚貝に与えたところ、生残率と成長速度が上昇した。このことは腸内細菌を利用することがアワビの飼育期間を短縮する有効な養殖技術となる可能性を示している(日刊工業新聞2020年9月24日掲載)。
本技術に関連して特許2件(特開2020-80741, 特開2021-52640)を出願した。
【適用分野・用途・業界】海藻の効率的な分解、海藻食生物の養殖、水産業、養殖業

第4講演 電気化学エネルギーを用いる酵素反応の活用技術【20分】       
               産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門           三重 安弘 氏

医薬等の合成において、酵素反応を利用することは特異性や効率の観点で大変有用だが、当該反応を継続的に進行させるためのエネルギー供給法が、コスト・環境負荷の点で課題となっている。当研究我部門では、高活性な多孔性電極を開発し電気化学的に酵素反応を連続活用できることを示した。電気化学法は再エネ電力を効率的に活用でき安価な系を構築可能であることから、SDGsに資する物質生産/酵素活用技術になると期待している。
【適用分野・用途・業界】製造、エネルギー、環境:物質生産、エネルギー変換(電池)、汚染物質変換

第5講演 トンボ由来の紫外線反射・超撥水物質【20分】
                               産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門          二橋  亮 氏

日差しに強いトンボの仲間が分泌する紫外線反射ワックスの主成分を同定したところ、他の生物が産生するワックスと異なり、極長鎖メチルケトンと極長鎖アルデヒド(具体的な機能や性質は未解明)が主成分であることを発見した。トンボのワックス主成分を化学合成して結晶化させたところ、強い紫外線反射能と撥水性が再現された。紫外線反射や撥水性を向上させる添加物として、化粧品分野や塗料組成物としての利用を想定している。
【適用分野・用途・業界】化粧品、塗装等

第6講演 構造情報を利用した有用タンパク質のデザイン【20分】 
              産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門          安武 義晃 氏

蛋白質(酵素)の立体構造情報を取得し、蛋白質が機能する仕組みについて詳しく調べている。またこれら情報に基づいた変異導入を行うことで蛋白質の活性や基質特異性を変化させ、希少物質の生産や物質定量検出等に役立つ改変蛋白質のデザインを行っている。生物は実に多彩な蛋白質を持っていますがそのほとんどは未活用である。蛋白質の力をもっと社会に役立てたいとの信念で研究を進めている。
【適用分野・用途・業界】 産業用酵素、物質生産、物質検出

第7講演 ヒト血清中のα1-酸性糖タンパク質の発光定量法【20分】 
              産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門    蟹江 秀星 氏

α1-酸性糖タンパク質(AGP)は、癌や心疾患などの病状の指標となる血中バイオマーカーの一つである。臨床検査を見据えた、より簡便・迅速なAGP定量法が模索される中、ヒト血清にウミホタルの発光物質(ウミホタルルシフェリン)を混合することで、ヒト血清に含まれるAGP量を発光量から調べられることを見出した。現在、検出感度や定量精度の向上、ヒトでない哺乳類のAGPの発光定量法の実現を目指して研究を進めている。
【適用分野・用途・業界】 ヒトやその他の哺乳類(ペット・家畜)の臨床検査

第8講演 医療の自動化・遠隔化を目指したロボット支援技術【20分】
              産業技術総合研究所 健康医工学研究部門           津村 遼介 氏

少子高齢化に伴う医療従事者の働き手世代の減少によって、現状の医療サービスの質を担保することが困難になる未来が想定されている。そこで医療の自動化・遠隔化を促進するべく、超音波検査や聴診、穿刺治療等を対象にロボットを活用した支援技術の開発を進めている。これまでに3Dカメラを用いた医用器具の配置位置の推定技術や安全性を担保しつつ任意の力で器具を接触させる機構、深層学習を用いた診断画像の探索技術の開発などを横断的に行なってきており、今回超音波検査及び聴診への応用を中心に紹介する。
【適用分野・用途・業界】 医療機器・ヘルスケア・スポーツ医学

第9講演 アクチンペイント(AP)法:細胞形態の違いを染め分ける
     新しい細胞の染色法【20分】
              産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門    長崎 晃 氏

ヒトは約300種類の細胞で構成され、各細胞はその機能に応じた様々な形態を示している。細胞の形はアクチン細胞骨格によって規定されており、アクチン細胞骨格の種類・分布とその割合は細胞種ごとに異なっている。我々はアクチン細胞骨格の違いに基づいた新しい細胞染色法を開発した。本染色法は細胞だけではなく組織切片にも適応できることから、正常部位とは異なる形態を示す炎症部やがんなどの病態部位の細胞レベルでの検出・診断や、オルガノイドの品質評価への応用が期待できる。
【適用分野・用途・業界】 炎症部やがんなどの細胞レベルで検出・診断、オルガノイドの品質評価

第10講演 ウイルス不活化効果の高感度・迅速評価技術【20分】 
             産業技術総合研究所 細胞分子工学研究部門 佐野 将之 氏・須丸 公雄 氏

新型コロナウイルスなどの感染は、人の口から出た唾液飛沫によって引き起こされるが、唾液に含まれる有機成分がウイルスを保護する知見を得たことから、こうした状況を考慮したウイルス対策技術が必要になると考える。私たちは、発光タンパク質遺伝子を組み込んだエンベロープウイルスを用いて、唾液成分を含んだウイルスに対する不活化効果を、高感度かつ迅速に評価する技術を開発した。抗ウイルス材料のほか、紫外線照射などによる効果も評価可能である。
【適用分野・用途・業界】 抗ウイルス表面加工・コート剤、紫外線照射などの性能評価及び開発支援

第11講演 水酸化酵素の大規模スクリーニングを可能にするP450ライブラリ 
               産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門         北川  航 氏

様々な化合物の水酸化を行うことで知られるチトクロムP450酵素は多様な微生物からその遺伝子が見いだされるが、その配列からは基質と反応を予測出来ず、有用酵素が多数存在することが予想されながらほとんど利用されていなかった。本研究では1,000以上の遺伝子をクローン化し、放線菌における発現ライブラリを構築、対象化合物の部位特異的水酸化を触媒するP450のスクリーニング系を確立した。有用物質生産・変換あるいは物質分解酵素の探索に活用可能である。
【適用分野・用途・業界】 製薬、化学、物質変換(生産)

■申込方法

受講を希望される方は、参加申込Gooleフォームに記載し送信くださるか、
または、受講申込書をメール(sangaku@saitama-j.or.jp)で事務局までお送りください
受講者に、講演を視聴できるURLを開催日までに配信します。
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産学連携技術シーズ発表会【生命工学分野】産総研(受講申込書)
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【シーズ発表会事務局】
 公益財団法人 埼玉県産業振興公社【産学連携支援センター埼玉】
 新産業振興部 産学・知財支援グループ  高 橋
 〒338-0001 埼玉県さいたま市中央区上落合2-3-2 新都心ビジネス交流プラザ3階
 TEL. 048-857-3901  FAX.048-857-3921
 メール sangaku@saitama-j.or.jp