令和6年度第1回産学連携技術シーズ発表会【材料・化学分野】動画配信

シーズ発表会  YouTube限定公開による講演動画の配信です
配信期間      8月9日(金)まで視聴いただけます
第1回産学連携技術シーズ発表会(材料・化学分野)を動画配信をいたします。
講演の技術シーズには、研究開発に関わる特許・実用新案等も含まれます。
視聴をされた方以外への配信は、研究者の知財保護からお控えくださるよう、お願いします。

第1回産学連携技術シーズ発表会【材料・化学分野】


第1講演 アルコールを原料にした水素と付加価値物質の同時電解合成
埼玉大学工学部 教 授 荻原 仁志 氏

再生可能エネルギーの普及に伴い,クリーンな電力の供給が増えています。その中で,
水の電気分解による水素製造が注目されていますが,副生する酸素には付加価値がな
いことが課題です。私たちはこの問題を解決するために,アルコールの電解に着目し
ました。アルコール電解では,水素と同時にアルデヒド,エステル,カルボン酸など,
化学工業で有用な酸化生成物が得られます。これにより,クリーンな電力から水素と
有用な化合物を同時に生産できる新しい方法が実現します。この分野はまだ未開拓で
あり,私たちは電気化学,触媒化学,反応工学を融合して,新たな物質変換法を開発
しています。講演では,この分野の基礎から私たちの最新の研究成果を紹介します。
■講師に相談できる内容
・電気化学プロセス ・固体触媒反応プロセス
・固体触媒および電極触媒の設計,合成,分析
・触媒反応や電気化学に関連する内容であれば広範に相談を受けることができます


第2講演 注目の有機金属構造体(MOF)で拓くハイブリッド素材の未来。
その特徴と可能性を解説します。
東京電機大学理工学部理工学科 理学系 准教授 小曽根 崇 氏

発表者は金属と有機化合物を連結させた分子骨格構造をもつ化合物(通称:MOF)の合成
研究および、その構造と物性評価をおこなってきた。本発表では、これまでに行ってき
た材料開発の中から、①ガス分子に対する吸着材料開発、②熱や光、ガス吸着などの外
部刺激によるセンサー材料開発などについて紹介する。MOFは金属イオンと有機分子を
同時に組み込んだ分子であるため、有機物・無機物単独では発現しない独自の物性開発
が可能である。加えてシリカゲルや活性炭などのような吸着材料とは異なり、分子レベ
ルで設計したナノ細孔材料(ガス分離等への応用)を作れる。
■講師に相談できる内容
1 各種MOF化合物合成、結晶構造評価
2 多重機能性MOF化合物の合成及び構造・物性評価研究


第3講演 腐敗臭も可視化!アンモニアなどいろいろなガスを色で検出
東京電機大学理工学部理工学科 理学系 准教授 足立 直也 氏

イオン液体を用いてアンモニアガスを色調の変化から目視で検出できる高感度ガスセン
サを開発した。このイオン液体は、アンモニアガスに触れると黄色から青色へと瞬時に
変化する。このイオン液体は紙、布、プラスチックなど様々な媒体へ塗布できるため、
利用目的に併せたガスセンサを作成できる。そのため、新世代のアンモニアガスセンサ
への応用が期待できる。また、酸,アルデヒド等の他の化学物質の検出も可能なガスセン
サについてもご紹介いたします。
■講師に相談できる内容
1 有機合成、化学センサ
2 イオン液体や蛍光性有機化合物の合成、色の変化による対象物質の検出


第4講演 偽造防止やトレーサービリティを実現できるプラズモニック・ナノタグ
東洋大学理工学部電気電子情報工学科 教 授 山口 明啓 氏

私たちの研究室では、ナノ構造体に光を当てると特異な応答を示すプラズモニックな性
質を制御したり、その機構解明を行いつつ、応用研究などへ展開しています。一つは、
流通がグローバルになることで偽造品被害が拡大しています。その偽造品を抑制し、安
全安心な流通管理や情報管理を目指すタグとそのシステムについての研究開発を行って
います。このタグの素になるナノ構造体は分子を検出するためのセンサーにも展開がで
き、そのセンサーを組み込んだシステム展開を行っています。情報セキュリティや物流
管理、工学応用など様々な分野への発展が期待できます。
ご興味を持っていただければ、幸甚です。
■講師に相談できる内容
1 分子検出、ナノ構造科学、光応答、マイクロシステム、物理分野など
2 材料だけに限らず、加工や構造作製、複合材料・機能材料としての評価や実装など
の研究内容について対応できると思います。


第5講演 事前の穴開け加工が不要なリベット接合~CFRPと金属との接合~
日本大学理工学部機械工学科   上田 政人 氏

ドリル加工などの事前の穴開け処理が不要で、かつ瞬間的に接合が可能な自己穿孔リベ
ットを紹介いたします。軽量かつ高強度なCFRPには、損傷が生じやすい欠点があります
が、本技術はこのようなCFRPにも適用可能な接合法です。
CFRPとCFRPとの接合だけでなく、CFRPと鉄板との接合も可能です。
接着をメインにする場合の仮固定用にも使用できます。このリベットのための接合装置
(リベッター)はロボットアームに搭載でき、生産ラインへの組み込みも可能です。
■講師に相談できる内容
1 FRPの力学特性と3Dプリント
2 材料の強さ測定や構造設計


第6講演 酸化物材料の熱膨張挙動の制御
-マイナスからプラスおよびゼロ膨張を目指して-
日本大学文理学部物理学科   橋本 拓也 氏

材料の熱膨張挙動の制御は光学素子の精密な位置決め、構造材料の機械的安定性の確保
などに必須の技術である。特に温度により膨張・収縮しない「ゼロ膨張材料」には広範
な用途が期待できる。講演者は(1)カチオン部分置換による熱膨張の制御および低熱
膨張相の安定な温度範囲の拡大(2)熱膨張酸化物と熱収縮酸化物との複合化による熱
膨張挙動の制御・ゼロ膨張材料の開発を実現してきた。また(3)異方的な熱膨張を示
す酸化物とガラス相との複合化による、低熱膨張材料の合成にも成功した。
本講演では以上の3つのトピックスを紹介するが、特に(3)について複合化により、
低コストで熱膨張挙動制御だけではなく機械的強度の改善にも成功した例を紹介する。
■講師に相談できる内容
機能性酸化物の合成法。結晶構造解析。電気伝導特性の測定および解析
熱膨張特性の測定および解析。相転移の測定と機構解析など


第7講演 食品添加物からつくる環境負荷の低い新規腐食抑制剤
日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター
防食材料技術開発グループ 研究員 大谷 恭平 氏

乳酸アルミニウムおよびモリブデン酸ナトリウムからなる排水基準がなく環境負荷の低
い中性淡水中の炭素鋼の腐食を抑制する腐食抑制剤。既存の腐食抑制剤は亜鉛などの環
境負荷が高く排水基準の厳しい薬品が使用されているが、本技術は食品添加物に使われ
るほど毒性の低い乳酸アルミニウムを使用することでそのような点をクリアした腐食抑
制剤を開発した。

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産学連携支援センター埼玉では、産学連携に関する技術相談や共同研究を推進しています。
講演頂いた先生方は、産学連携の取り組みに積極的な研究者・技術者ですので、
製品技術や研究開発に関することなど相談されたい方は、当センターにご連絡ください。

 

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