アクセス埼玉 2020年10月号

特集

ソーシャル・キャピタルを活用した介護・福祉機器の開発・普及の可能性

ソーシャル・キャピタル(SC:社会関係資本)とは、信頼、互酬性の規範およびネットワークで構成される概念であり、地域社会の中に形成されているコミュニティ、社会組織、社会的ネットワークといった社会学的視点と深く関係している概念である。
一方、介護・福祉機器の活用は「地域社会の特性」とも深く関係しており、今後、いかにして国全体の社会保障給付費を低減できるかといった社会課題を考えていく際に、こうしたSCの視点は重要になっていくものと考えられる。そして、超高齢社会の課題解決に向けた国の取り組みの中でSCと密接に関係すると考えられる施策として、「地域包括ケアシステム」を指摘することができる。
国は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築の実現を目指しているが、このシステムの構築では、保険者である市町村や都道府県が地域の自主性や主体性に基づき地域の特性に応じて作り上げていくことが必要とされている。

      • SCと地域包括ケアシステムの親和性
      • SCを活用した福祉機器開発の事例
      • 介護・福祉機器の開発・普及プロセスとSCの関係
      • SCを活用した介護・福祉機器の開発・普及の可能性