アクセス埼玉 2021年8月号

特集

渋沢栄一と「論語と算盤」~企業倫理実践者、未来志向者に学ぶ~

 渋沢栄一は1840(天保11)年、武蔵国榛沢郡血洗島村(現埼玉県深谷市血洗島)に生まれました。血洗島村は、税の米納が主であった江戸時代の早くから金銭で納めるシステムが取られていました。また、農村地域に属するものの、純粋に農作だけで生活が成り立つようなところではなく、商工業活動などに従事しないと生活が成り立たなかったことから、貨幣経済が早くから浸透している地域でした。
この地域での商工業活動の一つとして、藍の葉を加工し、藍玉という染料を信州(現長野県)や上州(現群馬県)などへ売りに行くことが挙げられます。藍玉の製造・販売は換金性が高く、軌道にのせた家は富裕層へと成長したのです。
栄一の生まれ育った家も父親の代に本格的に藍玉の製造・販売を始め、村で一、二を競う富農へと成長したのです。栄一はその家業を手伝う中で、経済・経営のノウハウを身に付けていきました。

      • 渋沢栄一91年の生涯
      • 渋沢栄一の人物像
      • いま、注目される渋沢栄一
      • 「論語算盤説」「道徳経済合一説」の成り立ち