アクセス埼玉 2020年4月号

特集

「 や・か・ま・し・い 」で業務改善

筆者は、ワークライフバランスの研究者として、これまで四半世紀にわたり、国内外の先進企業1,₅00社を訪問ヒアリングしてきた。10年ぐらい前から、個別企業や業界団体で働き方改革の講演・コンサル業務の他、自治体から依頼を受けて、地元企業(主に中小企業)で働き方改革の実践に向けた助言をしてきた。
3年前から、内閣府から委嘱を受けて、地域働き方改革支援チーム委員として、主に地方の中小企業の働き方改革を推進するコンサルタントを養成している。
例えば、先進自治体として名高い岐阜県では、9年前から地元の社会保険労務士による企業コンサルティングを包括的に支援してきた。これまで育成した、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)エクセレント企業は約150社にのぼるが、そのうち8社が内閣府の総理大臣表彰等を受賞している。同受賞企業数は全国合わせても40社弱なので、岐阜県は全国トップの実績を誇る。
各社の取組内容は、YouTube等で動画として配信しているが、そちらをご高覧いただくと、各社の
取り組みは百社百様であることが分かるだろう。
動画を見た若年者からの入社希望が増える等、反響も大きい。一方で、「うちとは雲泥の差。と
てもまねできない」と尻込みする声もある。そうした声を勇気づけるデータを紹介したい。
筆者はこれまで約25年、国内外の先進企業約1,500社、のべ6,000回、訪問してきたが、実は9割の企業はかつてブラック職場だった。「このままではまずい」という危機感で職場改善に努めた結果、現在では優良事例となったのだ。
本稿では、広範にわたる取り組みの中でも、特に「業務改善策」に絞って、具体的方策としての
「やかましい」について、述べたい。

      • 先進企業の9割は、元ブラック企業
      • 目標をポジティブな方向に転換する
      • 業務の効率化
      • 業務の簡略化
      • 職場での生産性向上策
      • 業務改善の「評価」
      • 目的を明確にして、方法の吟味
      • 業務終了後は、振り返り
      • 緊急度と重要度で業務分析
      • 仕事術は、ピラミッド式から、ジュンガ式に
      • あきらめずに、個人が一歩踏み出すことが共感の連鎖に